セミナー情報
【受付終了】慢性創傷管理の最前線 2018
講義内容
[講 師]
公益社団法人日本看護協会 看護研修学校 認定看護師教育課程長 溝上 祐子 氏
神戸大学大学院 医学研究科 形成外科学 教授 寺師 浩人 氏
大阪府済生会吹田病院 看護部 副看護部長 皮膚・排泄ケア認定看護師 間宮 直子 氏
<1>特定行為研修制度を活用した創傷管理とエビデンスに基づく褥瘡予防
溝上 祐子 氏【13:00~14:10】
2025年に向けて、病院から地域へと医療体制の変化、そして、超高齢者の増加により、複数の慢性疾患を併せ持つ複雑化した疾病構造の変化が謙虚化していきます。医療を必要とする方が地域の在宅、老人施設などさまざまな場所にあふれ、複数の疾患を持った患者の多くが褥瘡や慢性創傷管理を必要とするでしょう。国はこうした医療ニーズに応えるために「特定行為に係る看護師の研修制度」を推進しています。
今、この研修を活かした看護師による高度創傷管理に期待が高まっています。その正しい知識を知り、今後の看護師としてのキャリアアップにつなげましょう。また、これからはますます予防が重要でコストパフォーマンスを考えながら、かつ効率よいケアが必要とされます。エビデンスに基づくドレッシング材による褥瘡予防についても紹介します。
1.これから拡がる特定行為研修制度を活用した高度創傷管理
2.エビデンスに基づく新たな褥瘡予防(ドレッシング材の活用)の考え方
<2>治らないキズの治し方
寺師 浩人 氏【14:30~15:40】
キズが癒されることを「創傷治癒」と云います。
ヒトは動物で最も高等な生物ですが、創傷治癒の観点では最も下等な生物です。多くの動物は「きずあと」なく治り、ヒトでは瘢痕が残ります。それは、遺伝的素因に依るところが大きく、手術の上手下手で決まらない傾向にあります。形成外科医は、できる限り「キズをきれいに治す」科ですが、一方、「治りにくいキズを治す」ようにお手伝いする診療科でもあります。様々な「治らないキズ」を見ながら、その「創傷治癒」をご紹介します。
<3>創傷管理の実際 -症例検討-
間宮 直子 氏【15:50~17:00】
超高齢化やそれに伴う慢性疾患等の増加により、医療や介護の現場では、スキン‐テア(皮膚裂傷)や、褥瘡や下腿潰瘍など慢性創傷を抱えた患者に遭遇する機会が増えています。
そのため、看護師には、身体的・精神的・社会的観点から創傷を適切にアセスメントする知識と、治療を継続するためのスキンケア技術が必要不可欠と考えます。
本講では、症例を通して、それらの知識と技術を解説していきます。
1.褥瘡の症例
2.スキン-テアの症例
3.下腿潰瘍の症例
講師紹介
[PROFILE 溝上 祐子(みぞかみ ゆうこ)氏]
1982年 東京都立荏原看護専門学校卒業、東京都立清瀬小児病院勤務
1987年 クリーブランドクリニック分校 聖路加国際病院ETスクール修了
2001年 日本看護協会看護研修学校認定看護師教育専門課程 WOC看護学科 専任教員、東京都立清瀬小児病院WOC外来、武蔵野陽和会病院ストーマ・女性外来兼任
2005年 武蔵野大学院人間社会・文化研究科 人間社会専攻 修士課程修了(人間学修士)
2008年 日本看護協会看護研修学校副校長併任
2010年 日本看護協会看護研修学校認定看護師教育課程長
【専門領域】
ストーマケア、創傷ケア、失禁ケア、スキンケア、小児排泄障害のケア
【著書】
「小児創傷・オストミー・失禁管理の実際:照林社、2010(編著)」
「褥瘡治療・ケアトータルガイド:照林社、2009(編著)」
「知識とスキルが見てわかる 専門的皮膚ケア:メディカ出版、2008(編著)」
「早分かり 褥瘡ケアノート:照林社、2007(編著)」 他多数。
[PROFILE 寺師 浩人(てらし ひろと)氏]
1986年 大分医科大学(現 大分大学)医学部卒業。
同病院、兵庫県立こども病院、健和会大手町病院を経て、1997年 アメリカ合衆国ミシガン大学医学部 形成外科留学。
2001年 大分医科大学病院皮膚科形成外科 講師、同年 神戸大学病院形成外科 助教授(のちに准教授)、2012年 同 教授。
【所属学会】
日本形成外科学会(理事)、日本褥瘡学会(常任理事)、
日本下肢救済・足病学会(理事)、日本創傷外科学会(理事)、
日本皮膚悪性腫瘍学会(理事)、日本再生医療学会(評議員)、
日本フットケア学会(評議員)、日本創傷治癒学会(評議員)など
【資格】
日本形成外科学会(専門医)、日本創傷外科学会(専門医)、
日本再生医療学会(再生医療認定医)、日本褥瘡学会(認定師)、
日本下肢救済・足病学会(認定師)など
[PROFILE 間宮 直子(まみや なおこ)氏]
2004年 皮膚・排泄ケア認定看護師 資格取得
2011年 大阪府済生会吹田病院 副看護部長
2012年 日本看護協会 看護師特定行為養成試行事業実施課程 修了
2016年 日本看護協会 特定行為に係る研修制度 修了
2017年 滋慶医療科学大学院大学 医療管理学研究科 医療安全管理学専攻 修士課程 修了(医療安全管理学修士)
【所属学会・資格】
日本創傷・オストミー・失禁管理学会(理事)、
日本褥瘡学会(評議員・認定師)、
日本下肢救済・足病学会(評議員・認定師)、
日本フットケア学会(指導士)、
日本静脈学会(弾性ストッキングコンダクター)、
日本ストーマ・排泄・リハビリテーション学会 など